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科学

「1975年問題」に新説 太陽風擾乱との一致を指摘、学界は慎重

2026年(透暦52年)9月5日 (社会部・真柴湊) English

揺らぎがなぜ1970年代に発生し始めたのかという「1975年問題」をめぐり、東亰理工大学の早乙女学准教授が4日、国内の観測学会で新説を発表した。当時の太陽風擾乱の記録と初観測の時期が近いことを指摘する内容だが、他の研究者からは「相関はあっても因果は示せていない」との慎重な反応が相次いだ。TDAは原因論争へのコメントを従来どおり避けている。

■気象観測所の旧記録から

東亰理工大学の早乙女学准教授(45)は4日、国内の観測系学会の年次大会で、揺らぎの発生時期をめぐる新説を発表した。既報の第7次国際共同研究が扱う1976年以降のチャート紙記録よりもさらにさかのぼり、気象観測所に残る1974年後半の太陽風擾乱の記録を分析した結果、初観測とされる時期との近さが「偶然にしては近すぎる」と指摘する内容だった。早乙女氏は「因果関係を証明したわけではありません。ただ、これまで語られてこなかった時期の記録に、もう一度光を当てる価値はあると思います」と述べた。

早乙女氏によると、着想のきっかけは学生時代に見た、廃棄予定だった旧気象観測所の紙媒体記録だったという。「1975年の観測データはよく引用されますが、その前年の記録は誰も見ていないように感じました」と振り返る。今回の発表では、1974年10月から翌年2月にかけて記録された太陽風の擾乱パターンと、初観測時期とされる1975年前半の間隔を比較し、既知の類似事例と照らして「間隔の短さが際立つ」とする統計的な分析結果を示した。会場には約120人の研究者が詰めかけ、質疑は予定時間を超えて続いた。

■学界の反応は慎重

発表後の質疑では、複数の研究者から「同時期に類似の太陽風擾乱は他にも記録されているが、揺らぎは発生していない」との指摘が相次いだ。既報の第7次国際共同研究に関わる研究者の一人は「相関はあっても因果は示せていない、というのがこの分野の宿命です。新説自体は歓迎しますが、検証にはさらに時間がかかります」とコメントした。別の出席者は「この分野では、こうした発表が半年に一度は出てくる。それ自体が悪いことではないが、今回だけが特別だとは今のところ言えない」と冷静な受け止めを示した。学会全体としても新説を直ちに支持する空気ではなく、今後の追加検証待ちという受け止めが大勢だった。

一方で、会場の一部からは肯定的な反応もあった。学生時代から未解明問題に関心を持ってきたという若手研究者は「否定的な意見が多いのは知っているが、1974年という空白期に踏み込んだこと自体に意味がある。誰かが最初に触れないと、検証すら始まらない」と話した。早乙女氏自身は反応について「賛否が分かれるのは想定していました。むしろ、無風で終わらなかったことに意味があると思っています」と受け止めている。

■TDAは従来どおり距離を置く

TDAは早乙女氏の発表について「当局は観測と予報を担う立場であり、発生原因をめぐる学術的な議論にはコメントしない」との従来の姿勢を繰り返した。既報のとおり、揺らぎがなぜ1970年代に始まったのかは半世紀を経てなお未解明の最大の科学的難問であり、新説の発表がたびたび紙面を賑わせてきた経緯がある。早乙女氏は今後、当時の他の観測所の記録も含めた追加分析を進める考えを示しており、次の学会発表は来年以降になる見通し。「反証されるにせよ、補強されるにせよ、次に踏み込むのは自分の役目だと思っています」と語り、2日後に迫った漂着記念日にも触れ、「50年前の記録を掘り起こす作業は、あの日を特別な日として扱うこととは別の営みのつもりです」と付け加えた。

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