浪速市議団、岸見物条例の審議を視察 「三つ目の道、うちでも検討したい」
浪速市議会の視察団7人が5日午前、既報のとおり東亰市議会総務委員会の審議を傍聴した。会見は開かれなかったが、団長の荒木田悟氏は委員会後の取材に「認定配信者制度という三つ目の道を、うちでも検討したい」と述べた。委員会は今回も採決に至らず、継続審査となった。
■傍聴のみ、質疑への発言はなし
浪速市議会総務委員長・荒木田悟氏(54)を団長とする7人の議員団は5日午前、既報のとおり東亰市議会総務委員会の傍聴席に着いた。視察団は審議への発言権を持たず、約90分の委員会をメモを取りながら見守った。委員会では収益化制限規定の運用細則をめぐる質疑が続いたが、今回も採決には至らず、継続審査が決まった。次回開催日は引き続き未定。
傍聴席では、視察団の議員が質疑のたびに手元の資料に書き込みを重ねる様子が見られた。休憩時間には、荒木田氏が随行の事務局職員と小声で言葉を交わす場面もあり、傍聴席の一角だけ他都市の視線が集まっているという、いつもとは違う緊張感が委員会室を包んだ。地元選出の委員の一人は「見られていること自体が、審議の粗さを許さない空気を作っていたと思う」と休憩時間に漏らした。
■非公開の意見交換、会見はなし
事前の方針どおり、視察後の記者会見は行われなかった。視察団は委員会終了後、東亰市側の委員・事務局と非公開の意見交換の場を設けた。荒木田氏は退席時の取材に「非公開の場でのやり取りなので詳細は控えますが」と前置きしつつ、「うちの市にも似た状況がある以上、規制するか自由にするかの二択で止まっていた議論に出てきた三つ目の道を、まず自分たちの手で検討してみたいと思いました」と述べた。既報のとおり「三つ目の道」とは、動画配信者のユメさんが1日の参考人質疑で示した「認定配信者制度」の逆提案を指す。
■東亰側「結論が先に出る話ではない」
東亰市議会総務委員会の委員長は視察の受け入れについて、「他都市の目が入ることで議論が独りよがりにならずに済む面はある」としつつ、「ただ、うちの結論が出る前に浪速で先に条例ができるような話でもないと思う」との立場を改めて示した。委員会は憲法学者・帯刀郁子氏が「目的は正当だが、手段は雑」と評した収益化制限の条文の書き直しを最大の論点として抱えたままで、継続審査の長期化も視野に入り始めている。
■浪速側は持ち帰って検討へ
荒木田氏は「今日見たものを持ち帰り、うちの会派内でまず共有します。条例化するかどうかを含め、まだ何も決まっていません」と、慎重な姿勢を崩さなかった。浪速市議会事務局は取材に「独自の条例を作るとまだ決めたわけではなく、あくまで先行事例の研究段階」と説明している。視察団の一人は委員会を出たところで「うちの岸辺にも配信者が集まるが、東亰ほど数字が積み上がっているわけではない。この段階で条文まで急ぐ必要はないと個人的には思う」と、団内でも温度差があることをうかがわせる発言をした。
■広がり始めた条例案の行方
東亰市議会事務局は「他都市からの視察自体は珍しくないが、審議中の議案にこれほど早い段階で視察が入るのは記憶にない」と述べており、条例案の行方は東亰一市にとどまらない広がりを見せ始めている。委員会の次回開催日が定まらない中、視察をきっかけに他都市からの問い合わせが増える可能性も出てきており、東亰市議会事務局は「対応が必要になれば、その都度検討する」としている。ユメさんの逆提案がどう決着するかは、東亰だけでなく、少なくとももう一つの街の制度設計を左右する段階に入った。