玄洲、22日にも渭水回廊で反復揺らぎ候補「確認」発表へ 窓外交、板挟みさらに複雑に
玄洲政府が22日にも、渭水回廊帯で反復揺らぎ(定常窓の候補となりうる現象)を「確認」したと発表する見通しであることが20日、外交筋への取材で分かった。既報のとおり玄洲は観測データの共有に消極的な「主権派」を掲げており、発表が実現すれば技術供与をめぐる議論が日ノ國国内でも加速するとみられる。来月のヘルヴェティア窓条約多国間協議を控え、板挟みの構図はさらに複雑になっている。
■ 「22日にも」という情報
外務省筋への取材によると、玄洲政府が早ければ22日にも、内陸の渭水回廊帯で反復揺らぎの候補現象を「確認」したとする発表を行う見通しだという。既報のとおり渭水回廊帯は世界第2の揺らぎ帯とされ、玄洲は国営の鑑定産業を持つ一方、「観測主権」を掲げて第7次国際共同研究にはオブザーバー参加にとどめてきた。反復揺らぎの確認は、日ノ國の定常窓と同種の常設観測装置――いわゆる「窓機」の設置に道を開く可能性がある一段階とされる。
■ なぜ今なのか
外交筋の一人は「玄洲がこのタイミングで発表するのは偶然ではないだろう」と指摘する。来月上旬から中旬、ヘルヴェティア連邦ジェネーバのIDBO本部で開かれる窓条約多国間協議には、既報のとおりアメリア合衆国・ノルディア連合・ドイチェ連邦が参加し、玄洲はオブザーバー参加の見通しとされてきた。「協議の場に着く前に、自国にも反復揺らぎがあることを既成事実として示しておきたいのではないか」というのが、複数の外交筋に共通する見立てだ。
■ 日ノ國の技術供与議論、加速の可能性
日ノ國はこれまで、定常窓の観測装置(窓機)や運用ノウハウで世界の先頭を走ってきた。既報のとおり窓条約の交渉では、アメリアが「同盟国への優先供与」を求め、ノルディア連合・ドイチェ連邦が「完全禁止と全公開」を求める構図が続いている。玄洲が独自に反復揺らぎを確認したとなれば、「玄洲に技術で先を越されるくらいなら、条件付きでも供与議論を進めるべきだ」という声が日ノ國国内で強まる可能性がある。経産省筋は「まだ発表前の段階でコメントは差し控えるが、渭水回廊の件は以前から念頭に置いている」と述べるにとどめた。
■ 与党内「公開派」勉強会にも影響か
既報のとおり、観測データの原則公開を求める与党内の若手議員による勉強会(呼びかけ人・三宅奏太衆院議員)は16日に初会合を開いたばかりで、次回会合の調整が続いている。同勉強会に近い議員の一人は「玄洲が独自に反復揺らぎを持つとなれば、『データを抱え込む国が増えるほど、逆に公開の原則が必要だ』という主張がしやすくなる」と話す。一方、既報のとおり野党側は観測データ公開法案の先行審議を正式に要求しており、与党側は「持ち帰り」の姿勢を崩していない。玄洲の発表いかんでは、この綱引きにも新たな材料が加わることになる。
■ 雨宮審議官、来月の交渉へ
窓条約交渉の実務を担う外務省国際協力局審議官・雨宮悠一氏(55、既報)は、来月のヘルヴェティア多国間協議で日ノ國代表団長を務める予定。雨宮氏は既報のとおり「板挟みであることを隠さずに交渉するしかない」と繰り返し述べてきた。外交筋によれば、玄洲の発表が事実であれば、雨宮氏の代表団はアメリア・ノルディア連合・ドイチェ連邦に加え、オブザーバー参加が見込まれる玄洲の出方も見極めながら、これまで以上に多方面に目配りした交渉を強いられることになるという。
■ 産業界も注視
既報のとおり、東亰精密光学と台瀛の瀛創科技による窓機向け精密光学部品の供給協議は月内の素案取りまとめをめざして進んでおり、観測関連株・TDI先物は条約報道のたびに乱高下してきた。市場関係者の一人は「玄洲の発表が事実なら、窓機需要の裾野が世界的に広がるとの見方も出てくるかもしれない。ただし、玄洲自身が技術を外部に開くとは限らず、需要と供給の話が単純にはつながらない」と慎重な見方を示した。
■ 確認は22日以降
外交筋によれば、玄洲側の発表内容の詳細――反復揺らぎの規模や、定常窓化に向けた具体的な計画の有無――はまだ明らかになっていない。外務省筋は本紙の取材に「現時点では未確認情報として受け止めている。仮に発表があった場合、内容を精査したうえで対応を検討する」とコメントした。真柴湊記者は「窓の向こうを覗く技術をめぐって、こちら側の国々がどう向き合うかという話が、また一段複雑になった一日だった」と結んだ。
