観測データ公開法案、野党が先行審議を正式要求 与党内「公開派」の勢いを追い風に
野党各会派は17日、観測データ公開法案について、臨時国会の会期前半での先行審議を国会対策委員長会談で正式に要求した。既報のとおり16日に与党内の若手議員による「公開派」勉強会が初会合を開いたばかりで、野党側はこの動きを「追い風」と位置づけている。与党側は正式な回答を持ち越し、来月のヘルヴェティア窓条約多国間協議との兼ね合いを慎重に見極める構えを崩していない。
■ 国対委員長会談で正式要求
野党各会派は17日午前、国会内で開かれた与野党の国会対策委員長会談で、観測データ公開法案について会期前半のうちに先行審議入りさせるよう正式に申し入れた。既報のとおり同法案をめぐる要求自体は今月上旬から野党側が非公式に伝えてきたが、書面での正式要求は今回が初めて。野党第一会派の国対委員長は会談後、「窓条約の行方を国会が指をくわえて見ているだけでいいはずがない。まず法案の姿を国会側で固めるべきだ」と記者団に述べた。
■ 「追い風」とみる野党
野党側が今回のタイミングで動いた背景には、既報の与党内「公開派」勉強会の存在がある。16日に初会合を開いたこの勉強会は、呼びかけ人の三宅奏太衆院議員(44)を中心に約30人が出席し、観測データ公開法案の修正論議を後押しする姿勢を示していた。野党国対委員長は「与党の中からも同じ方向を向く声が出てきた以上、先送りする理由がまた一つ減ったということだ」と述べ、勉強会の動きを追い風と位置づけた。
■ 与党側は「持ち帰り」
これに対し与党側は、その場での回答を避け「持ち帰って検討する」との対応にとどめた。与党の国対委員長代理は会談後、「勉強会は勉強会、法案審議の日程は日程の話として、切り分けて考えたい」と述べる一方、既報のとおり同法案の扱いをめぐり与党内が割れている状況に変わりはないことを認め、「党内の意見集約が先だ」と繰り返した。
■ ヘルヴェティア多国間協議との兼ね合い
既報のとおり、来月上旬から中旬にかけてヘルヴェティア連邦ジェネーバのIDBO本部で窓条約の多国間協議が開かれる見通しで、アメリア合衆国・ノルディア連合・ドイチェ連邦が参加、玄洲がオブザーバー参加する公算が大きい。野党側は「代表団が板挟みのまま送り出されるより、国会が一定の方向性を示してから送り出す方が交渉力になる」と主張する。一方、外務省筋は既報のとおり「交渉のカードを国会審議の場で先出しすることには慎重であってほしい」との立場を崩しておらず、政府・与党内には審議を急ぐことへの慎重論も根強い。
■ 産業界は「予見可能性」を求める
既報のとおり窓機部品・観測機器の関連銘柄は窓条約報道のたびに乱高下してきた。経産省の窓機部品担当者は今回の与野党のやり取りについて「法案の中身がどちらに転ぶかより、いつ決まるかが分からないことの方が、部材調達の現場には効く」と述べ、審議入りの時期そのものが産業界にとっての関心事になっていることを明らかにした。東亰精密光学の広報担当は「法案の行方によって規制の枠組みが変わりうる以上、部材調達の選択肢を増やす既報の取り組みは、どのみち必要な備えだった」とコメントした。
■ 議連との違い
既報の漂着記念日の祝日化をめざす超党派議連が横断幕を掲げて表立って動く一方、三宅氏らの勉強会は与党内に限られた非公式の集まりで、性格は異なる。三宅氏は16日の初会合後、「地味に、法案の条文を詰める会にしたい」と述べており、17日の野党の動きに直接呼応したわけではないという。ただし野党側の国対委員長は「向こうが表立って動く前から、水面下の空気は伝わってきていた」と語り、両者の動きが無関係ではないとの見方を示した。
■ 今後の焦点
国会対策委員長会談は、来週にも改めて協議の場を持つ方向で一致した。三宅氏らの勉強会も既報のとおり今月内の次回会合を調整中で、正式名称・メンバーの確定を目指すとされる。臨時国会は会期末が12月中旬までの見通しで、窓条約の多国間協議・観測データ公開法案・与党内勉強会という三つの筋が、今後どう絡み合うかが会期を通じた焦点になる。真柴湊記者は「板挟みだったのは政府だけではなく、国会そのものだったと分かってきた一日だった」と結んだ。
