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「岸辺の歌」屋外初開催、約5300人 白瀬ユキ・岸辺セブン・柳亭岸八、三つの初披露そろう

2026年(透暦52年)9月24日 (文化部・芸能・小柳ちひろ) English

©東亰新報

音楽祭「岸辺の歌」が23日夜、岸浜公園で初めて屋外開催された。既報の白瀬ユキによる「岸の子守唄」公式カバー生披露、岸辺セブンの新曲「灯りの先に」尾を使う振り付け完成披露、柳亭岸八の新作落語「窓芸」初演の三つがそろい踏み。動員は主催の潮騒レコード発表で約5300人と、前年推計の3倍超。降水確率20%の予報だったが開演から閉演まで雨は降らず、最前列には既報どおり岸谷タネさん(101)が「聴く係」として招かれた。

■ 開場17時、開演18時 初の屋外開催

「岸辺の歌」は主催・潮騒レコードにより2020年から数えて7回目、過去6回はいずれも湾岸市民会館の屋内開催だったが、今回初めて岸浜公園の特設屋外ステージで開かれた。既報のとおり23日午前6時半、潮騒レコードは降水確率20%前後を踏まえてなお決行を発表しており、開場の17時から入場列は途切れなかった。会場周辺には既報どおり東亰刀士会と監視業組合の隊員が壁上競走最終節と同様の運用で立ち、手荷物検査ゲートも設けられた。

■ 白瀬ユキ、対訳を伏せたまま3番

トップバッターは白瀬ユキ(31)。既報の20日夜の一度きりの生放送に続く二度目の「岸の子守唄」公式カバー披露で、今回も全13番中3番にとどめた。採譜者・岸浦汐(74)の口移し指導どおり対訳には一切触れず、白瀬はマイクの前で目を閉じたまま歌い切った。歌い終えた直後、会場は拍手より先に数秒の静けさに包まれ、その後に大きな拍手が起きた。白瀬は終演後の取材に「生放送のときは録音がないぶん一度きりの緊張があったが、今夜は目の前に人がいるぶん、また違う一度きりだった」と話した。

■ 岸辺セブン、尾の振り付け完成披露

続く岸辺セブンは新曲「灯りの先に」(既報・20日配信開始)を披露。既報のとおり獣徴のあるメンバー2人のうち1人、センターの岸柳ノア(20)がサビで尾を使う振り付けを初めて公の場で見せた。曲に合わせて尾を大きく振る動きに客席から歓声が上がり、岸柳は終演後「配信のティザーで焦らしすぎたかもしれないと思っていたが、今夜出せてよかった」と笑顔を見せた。振り付けの完成披露は既報の予告どおり、映像化は今回が初めてとなる。

■ 柳亭岸八「窓芸」、由来を一つに決めない笑い

落語家・柳亭岸八(68)は既報の新作「窓芸」を初演。「窓の日」の由来を一つに決めず、諸説そのものを笑いの種にする構成で、「夏の出しそびれ救済説」「記念日の週に岸へ灯りを向ける説」など既報の複数の由来説を高座の上で次々に並べては崩す展開に、会場は終始笑い声に包まれた。柳亭は終演後、「由来を決めないのが、この街の作法だと思ってやっている。決めてしまったら、来年の枕がなくなる」と本紙の取材に語った。

■ 岸谷タネさん、最前列で「聴く係」

既報のとおり最高齢の漂着一世・岸谷タネさん(101)が最前列に招待された。9月7日の漂着記念日式典でも「今年は、聴く係ですから」と語っていた岸谷さんは、この夜も同じ言葉を繰り返し、白瀬の子守唄の間、目を閉じて聴き入っていたという。同席したボランティアの大学生によると、演奏後に岸谷さんは「歌えないが、聞こえると炊事場が静かになったのを覚えている、とまた思い出しました」とだけ短く語ったという。

■ 動員約5300人、前売り完売の影響続く

主催の潮騒レコードによると、来場者数は約5300人。既報のとおり前売り券(一般4200円・学生2600円)は13日発売から3日で完売しており、当日券枠は圧縮、立ち見・芝生エリアが拡大されていた。既報の入場時の本人確認強化も初めて全面実施され、大きな混乱はなかったという。主催者は「屋内開催の6回に比べ、天候という不確定要素はあったが、結果として屋外ならではの広がりが出た」とコメント。既報どおり別日程での追加公演案も検討していたが、今回の動員規模を踏まえ「まずは今夜の結果を見てから」と結論を持ち越した。

■ 会場の声

会場には親子連れから高齢の常連まで幅広い年齢層が集まった。深川から来た会社員女性(34)は「白瀬さんの子守唄は生放送で聴き逃していたので、今夜聴けて満足」と話し、亀戸の高校生(16)は「岸辺セブンの尾の振り付け、配信で見るより近くで見た方が全然違った」と興奮気味に語った。一方、屋外開催については「音の抜けはいいが、後方だと表情までは見えにくい」という声もあり、潮騒レコードは来年以降の会場設計の参考にするとしている。

■ 小柳ちひろ記者の視点

三つの初披露が一夜に重なるという、欲張りな構成だった。それでも押しつけがましさがなかったのは、白瀬の子守唄が静けさで、岸辺セブンの尾が歓声で、柳亭の落語が笑いで、それぞれ違う種類の「明るさ」を持ち帰らせてくれたからだと思う。最前列で目を閉じていた岸谷タネさんの横顔が、この夜いちばん饒舌だった気がしている。

「岸辺の歌」は来年も同時期の開催を予定。会場・形式は今回の結果を踏まえて改めて検討するという。

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