第2窓「機構の海」、8日ぶりの再開口 塔は一つから二つに
湾岸倉庫街の第2定常窓「機構の海」(第19系統)が17日未明、9日午後9時15分の閉口以来8日ぶりに開いた。既報のとおり稼働以来最長の53時間開口を経て姿を変えたまま静止していた塔状構造物が、今回の開口ではさらに姿を変え、一つだった塔が二つに分かれているのが確認された。次元調査課は「増えたのか、分かれたのか、今の観測だけでは判断できない」としている。
■ 8日ぶりの開口
湾岸倉庫街・第4号倉庫にある第2定常窓「機構の海」(第19系統)が17日午前2時47分、開いた。既報のとおり9日午後9時15分に閉じて以来、8日ぶりの開口となる。次元調査課によると、閉口中も窓そのものは定期的に点検されていたが、開くかどうかは他の窓と同様まったく予報できず、今回も夜間当直の窓番が偶然に気づいたという。
■ 塔、一つから二つに
もっとも大きな変化は、既報の稼働以来最大規模の塔状構造物に生じていた。53時間の開口を経て閉口時には最大時よりおよそ2割低くなっていた塔(既報)は、今回の開口では単独の構造物ではなく、ほぼ同じ高さの二つの塔として観測された。次元調査課の担当者は「元の一つが分裂したのか、別のところに新しく一つできて、たまたま近くに並んで見えているだけなのか、今回の観測だけでは判断できない。次に開いたときにまだ二つあるかどうかを見るしかない」と説明した。
■ 鳴き交わし、周期はさらに変化
既報のとおり、自己修復する機械の群体とみられる存在が発する金属音の「鳴き交わし」には、9日の開口時に新しい周期が確認されていた。今回の開口では、二つの塔それぞれから別々の周期の音が記録され、次元調査課は「二つの音が重なって聞こえる場面もあった。単純に足し算できる話なのか、二つの塔が別々の個体のようなものなのか、これも分からない」としている。窓室の録音機材は、専門研究機関への解析依頼の対象がこれで3件目になるという。
■ 窓番の記録
当直の窓番は日誌に「塔が二つに見えた瞬間、思わず数え直した」と記した。次元調査課によれば、機構の海はこれまでの観測で人間らしき生物の姿が一度も確認されておらず、五窓のうち唯一「住人」の存在が推測されていない系統でもある。今回も構造物の周辺に人影に類するものは見当たらなかったという。
■ 開口は52分で終了
今回の開口は午前3時39分に閉じ、52分間だった。既報の53時間という記録的な長さとは対照的に短時間の開口となったが、次元調査課は「短いから小さな出来事、長いから大きな出来事、という見方自体が、こちらの理屈にすぎない」と述べ、開口時間の長短と観測内容の重要度を結びつけない姿勢を改めて強調した。
■ 11月の検討会でも報告へ
第2窓のこの一連の変化は、既報のとおり11月に初会合が予定される外部有識者検討会の議題にすでに含まれている第4窓・第5窓の長時間観測の事例と並び、今回の再開口と塔の変化も追加で報告される見通し。次元調査課は「長く閉じていた窓が、閉じる前とは違う姿で開く。これも、見続けなければ気づけないことの一つだ」と話した。
■ 民間の動き
窓グッズを扱う業者からは、既報の「灯しの街」ポストカードに続き、機構の海の塔をモチーフにした商品の相談が寄せられているという。次元調査課の担当者は「機構の海は人の姿が見えない分、造形物としての人気が高い。ただ、塔が今後どうなるか分からない以上、確定した姿を商品化するのは時期尚早だとお伝えしている」と話した。
■ 「分からないことが増えた」ことの明るさ
戸田輪記者は「塔が減ったのでも壊れたのでもなく、増えて見えた。それが良いことなのか悪いことなのかを、こちらが決める必要はない。分からないことがまた一つ増えた、というだけで、この面としては十分な収穫だ」と結んだ。次の開口がいつになるかは、今回もまったく分からない。
