東亰精密光学・瀛創科技、保守体制の論点も決着 本契約、月内正式合意へ最終盤
東亰精密光学と台瀛の部材大手・瀛創科技は21日、窓機向け精密レンズ部品の本契約交渉で最後に残っていた保守体制の論点が決着したと発表した。既報の検収基準(16日)に続き、残る論点はなくなり、10月末を目標とする正式合意に向け最終盤を迎えた。交渉窓口を務める瀛創科技の呉文軒氏(既報)は「現場の技術者同士の対話が、ようやく制度として固まる」とコメントした。
■ 「残る論点」が、ついになくなった
東亰精密光学は21日、台瀛の電子部品大手・瀛創科技との間で進めてきた窓機向け精密レンズ部品の本契約交渉について、既報(1日)の開始以来残っていた論点のうち、最後の保守体制が決着したと発表した。既報(16日)の検収基準(初回全数検査、以後抽出率5%、不良率超過時は全数検査に切り替え)に続く決着で、既報の供給価格(基準額+3%)・納期(四半期単位)を含め、本契約を構成する主要論点はすべて固まったことになる。社長の小田切悟氏(52、既報)は「素案合意から約3週間、ひとつひとつ論点を潰してきた。残るは正式な契約書の文言確定だけだ」と述べた。
■ 保守体制、「現地対応」と「来亰対応」の二段構え
決着した保守体制の内容は、窓機に組み込まれた瀛創科技製レンズ部品に不具合が生じた場合、まず現地(東亰側)の技術者が初期対応を行い、解決しない場合に瀛創科技側の技術者が来亰して対応する「二段構え」の仕組みだという。対応までの標準的な期間は、初期対応が48時間以内、来亰対応が必要な場合は2週間以内と定められた。東亰精密光学の技術担当者は「窓機は24時間稼働が前提の装置が多い。保守の初動が48時間以内と明文化されたことで、現場の安心感は大きい」と話した。
■ 呉文軒氏「対話が制度になる」
交渉窓口を務める瀛創科技の業務担当者・呉文軒氏(既報10月2日初出)は「保守体制の論点は、言葉で説明するのは簡単だが、実際に誰がいつ動くかという取り決めは難しかった。現場の技術者同士の対話が、ようやく制度として固まる段階に来たことを嬉しく思う」とコメントした。既報どおり検収基準の合意時にも「現場の技術者同士の対話がようやく始まる段階」と述べていた呉氏にとって、今回は対話が制度に結晶した節目という位置づけになる。
■ 為替・コストの背景
既報どおり、交渉では供給価格の決着に際し、円と台瀛の通貨の為替変動をどちらが負担するかが論点になり、四半期ごとに基準額を見直す仕組みで折り合っていた。保守体制についても、来亰対応にかかる旅費・滞在費の負担割合が細目として詰められ、既報のブリタン再保険組合(BRU)の料率引き上げによる部材調達コストの上昇の一部が、ここでも折り合いの材料になったという。東亰精密光学の財務担当者は「保守コストまで含めて四半期ごとに見直せる仕組みにしたことで、長期的な取引関係の土台ができたと思う」と話した。
■ 観測関連株、反応は限定的
21日の取引で東亰精密光学の株価は前日比0.4%高と、小幅な反応にとどまった。市場関係者の一人は「検収基準の決着時点で、ほぼ材料は出尽くしていた。保守体制は実務上重要だが、株価インパクトという意味では想定の範囲内」と話す。星洲取引所の東亰漂着物指数(TDI)先物にも、目立った動きはなかったという。
■ 窓条約・覚書の扱いが次の懸案
一方、本紙は同日、窓条約の正式調印に向けた政府間協議が11月に始まることを別項で報じている(既報参照)。東亰精密光学の幹部は「本契約がまとまっても、窓条約の覚書の扱いが固まらない限り、台瀛のような技術パートナー国への供給条件に影響が及ぶ可能性は残る。そこは別の綱引きとして注視を続けるしかない」と話し、本契約の決着と条約交渉の行方は別筋であることを強調した。
■ 10月末の正式合意へ
東亰精密光学は、残る契約書の文言確定を踏まえ、10月末までに正式合意を発表する見通しを改めて示した。小田切社長は「脱ドイチェという構図からは距離を置いてきたつもりだが、台瀛との間でここまで細かく制度を積み上げられたことは、選べる立場を増やす方向性の正しさを示していると思う」と総括した。正式合意後は、来月上旬にも瀛創科技側の技術者が来亰し、保守体制の初回研修を行う計画が検討されているという。




