鵜飼市長の瑠海答礼訪問、外務省が検討着手 候補時期は来年5月前後
既報(22日)の瑠海国王カイエ3世の離亰に際し、外務省・宮内庁が鵜飼素子市長による答礼訪問を検討する方向で基本合意したことを受け、外務省は26日、具体的な時期の検討に着手したと明らかにした。外務省筋によると候補として来年5月前後が浮上しているが、確定ではない。実現すれば日ノ國の首長による瑠海訪問は史上初となる。
■ 「基本合意」から4日、検討の中身が動く
既報(22日)のとおり、瑠海国王カイエ3世(34)の4日間の来亰日程が終わった際、外務省と宮内庁は鵜飼素子市長による答礼訪問を検討する方向で基本合意したと発表していた。26日、外務省国際協力局の雨宮悠一審議官は本紙の取材に「合意はあくまで『検討する』というところまでで、訪問の実施も時期も確定したものではない」としつつ、具体的な候補時期の検討に入ったことを明らかにした。外務省筋によると、瑠海側の行事日程との調整の都合上、来年5月前後が候補の一つとして挙がっているという。
鵜飼市長は26日の定例会見で「数字が決まる前に浮かれて騒ぐのは、市長としてはやらない主義です」と従来どおりの口調で述べつつ、「ただ、ご縁をいただいた以上、行くことになれば街の代表として行く、という気持ちの準備はしています」と答えた。実現すれば、日ノ國の首長が瑠海を訪れるのは史上初となる。
■ 実務の壁、予算と日程
外務省筋は、答礼訪問の実現にあたって二つの実務上の論点があるとする。一つは渡航・随行の予算で、市議会の一部会派からは「国賓来訪への返礼とはいえ、一自治体の長の外遊に相応の予算を割く根拠を丁寧に説明すべきだ」との声も出ている。もう一つは日程の調整で、瑠海側の宮中行事や、既報(22日)の瑠海・碧海諸島・日ノ國の三カ国観測協力枠組みの予備的検討の進み具合とも絡む可能性があるという。
市議会で財政を担当する議員の一人は「国王が本紙を配信で愛読しているという既報の話も含め、市民感情としては歓迎の声が多いと見ている。だからこそ、どこまでを公費で、どこからを民間の協力で、という線引きは早めに示してほしい」と求めた。外務省筋はこれに対し「規模・日程が固まる前の段階で予算の話だけが先行するのは望ましくない。検討の進み方自体を、折に触れて説明していく」と述べている。
■ 瑠海側の受け止め
瑠海王国の在京関係者は26日、本紙の取材に「国王陛下も、答礼の話があることは承知している。具体的な招請の形になるのはこれからだが、歓迎する気持ちに変わりはない」とコメントした。既報(19〜22日)のとおり、カイエ3世の来訪中は鵜飼市長への表敬訪問や、音楽教師・岸浦汐(74)との非公式面会など、市民感情に訴える場面が重なった。瑠海側の関係者は「陛下が深川まで足を運ばれたように、市長にも瑠海の暮らしを見ていただきたい、という声が王室の周辺にもある」と話した。
■ 外交日程、窓条約交渉とは別枠
外務省は既報(21日)どおり、窓条約の正式調印に向けた政府間協議を11月上旬にヘルヴェティア・ジェネーバで始める予定で、こちらは国家レベルの条約交渉として進む。雨宮審議官は「答礼訪問は市長と国王という、いわば人と人のご縁から始まった話で、条約交渉とは制度上も実務上も別の筋だ」と線引きを強調したが、「窓外交」という言葉で両方がひとまとめに語られがちな状況は、既報の宗像鉄男衆院議員(58)らの発言からもうかがえる。宗像氏は26日、「人と人の縁は尊重するが、答礼訪問が条約交渉の雰囲気づくりに利用されるようなら、それは筋が違う」と改めて釘を刺した。
■ 「決まってから騒ぐ」が市長の流儀
鵜飼市長は会見の最後に、「数字を見てから騒ぎましょう、というのはいつも申し上げている通りです。訪問が決まるかどうかも、決まった後の中身も、固まった段階で改めてお話しします」と述べ、現時点では具体的な見通しを語らなかった。外務省は来月以降、候補時期を含めた検討状況を随時明らかにする方針。実現の有無、日程ともにまだ何も確定していない。








