壁上競走・最終節あす夜ではなく、きょう夜 亀戸第二壁面と堀川壁面、同時刻に開幕
壁上競走リーグの最終節・第22節が18日夜、行われる。既報のとおり勝点44で並ぶ首位・東亰RCと2位・浪速WCは直接対決せず、東亰RCは本拠地・亀戸第二壁面で北都と、浪速WCは敵地・堀川壁面で本拠地無敗の尾張と、それぞれ別会場・同時刻に優勝を懸ける。両会場とも朝から開場待ちの列ができ、前売り完売の熱気が街に出ていた。
■ 二つの壁、同じ夜
壁上競走リーグの最終節・第22節が18日夜、行われる。既報のとおり11日の第21節で浪速WCが東亰RCを7段3連-6段4連で下した結果、両チームの勝点はともに44で並んだまま今季最終盤を迎えていた。組み合わせは13日発表のとおりで、首位・東亰RCと2位・浪速WCは直接顔を合わせない。東亰RCは本拠地・亀戸第二壁面で北都と、浪速WCは敵地・堀川壁面で本拠地無敗の尾張と、それぞれ別の壁で、同じ夜、同じ時間帯に優勝を懸けて登る。
前売り券は既報のとおり17日までに両会場とも完売しており、本紙は17日付でその経緯を報じた。18日はいよいよ試合当日となり、朝から街の空気が変わった。
■ 朝から列、開場前の亀戸第二壁面
亀戸第二壁面では、開場を6時間近く前に、すでにグッズ売り場の前に列ができ始めていた。列の先頭付近にいた常連ファンの一人(48)は「去年は開幕戦から見ているけど、朝から並んだのは初めて。今日だけは仕事を半休にした」と話した。近くの露店では紙コップの温かいお茶が売られ、既報の「潮が早かった」式の生活感のある談話が、今日は「壁が硬いか柔らかいか」という話に置き換わっていた。
会場周辺では、既報の刀士(侍)の職務のひとつである要人警護の延長として、大規模イベントの警備に東亰刀士会の隊員が加わっていることが確認できた。制服姿で群衆の間に静かに立つ姿があり、刀は抜かれていない。担当した若手刀士は取材に「今日は誰かを守るというより、みんなが安心して壁を見上げられるように、そこにいるだけの仕事です」と短く答えた。
■ 堀川壁面、地元後援会の「立ち見エリア」
一方、堀川壁面でも同様の熱気が伝えられた。既報のとおり地元の尾張後援会が近隣住民向けの立ち見エリアを別途設けており、18日午前の時点ですでに整理券の配布が始まっていた。堀川壁面は「乾いた壁」として知られ、尾張がここまで本拠地無敗を守ってきた会場。後援会の担当者は「無敗を止めに来る相手が優勝を懸けているというのは、正直、うちの選手にとってもファンにとっても一番おもしろい形の試合だと思う」と話した。
■ 天候と透過指数、平穏
TDA予報課は18日朝の発表で、両会場周辺とも大きな崩れのない見通しを改めて示した。亀戸第二壁面のある城東地区の透過指数は「中」で推移しているが、既報のとおり大会中断につながるような「警戒」への切り替わりは「現時点では低い」との見立てを維持している。堀川壁面周辺は指数「低」で安定していた。次元調査課の観測とは独立の話だが、担当者は「壁上競走の日程が観測予報と重なることが多い季節だが、今日は特に懸念する材料はない」と付け加えた。
■ 汀島るい、朝の姿
東亰RCの第3走・汀島るい(17)は、開場前の会場入りで報道陣に短く応じた。既報のとおり、10代選手として初の月間MVPも取り沙汰されるが、当人は今回も「壁は、今日どんな壁かなんて教えてくれません」と、いつもの調子を崩さなかった。同行した監督は「昨夜もいつもどおり早く寝たと聞いている。それが一番の準備だと、あの子は思っている」と語った。
■ BTVが特番、学生の準決勝とも重なる季節
湾岸テレビ(BTV)は18日夜、両会場の中継を柱にした特別編成を組む。既報の「壁上バラエティ」特別編で東亰RC・汀島と岸辺セブン・岸柳ノアが共演した縁もあり、BTV編成担当は「プロの決着の日を、いつもより丁寧に伝えたい」とコメントした。既報のとおり学生壁上競走の秋予選も今月下旬に準決勝を控えており、プロと学生、二つの壁上競走が今月後半に重なって山場を迎えている。連盟関係者は「今日だけは、亀戸第二壁面はプロに明け渡す形になる」と話した。
■ 北都・尾張、それぞれの側からの声
北都は既報のとおり8月29日の第19節で東亰RCに敗れており、上位陣との対戦成績が振るわない。18日朝、練習を終えて会場入りした北都の主将は「優勝を懸けた相手を本拠地に迎えるのは、うちにとっては下剋上のチャンスでしかない。今夜だけは『格上』という言葉を使わないでほしい」と報道陣に語った。
一方、堀川壁面で無敗を続けてきた尾張の監督は、既報の「無敗は記録であって保証じゃない」という発言を踏まえ、18日朝の取材でさらに踏み込んだ。「うちの無敗は、優勝争いとは別の場所で積み上げてきたものだ。今夜、その二つが初めて同じ壁の上でぶつかる。記録を守るためではなく、うちのやり方を証明するために登る」と述べ、単なる連勝記録の防衛にとどまらない姿勢を示した。
■ 会場外にも街の反応
会場から離れた亀戸の商店街でも、この日は普段と違う空気があったという。既報の潮見橋通り商店街とは別の、亀戸第二壁面に近い商店主の一人は「壁上競走の日はいつも人出があるが、優勝を懸けた最終節は別格。うちの店先のテレビにも、試合開始前から人が集まり始めている」と話した。地下鉄江東線は既報のとおり夕方以降の混雑が見込まれ、鉄道会社は臨時の案内要員を増やす対応を取った。
■ 解説しない、が今夜もそのまま
既報のとおり、勝点で並んだ2チームが異なる会場・異なる相手で試合を終えた場合の順位の決め方について、リーグは規定の詳細を公表していない。18日朝の取材でも広報担当者は「解説しない立場は変わらない」と繰り返すにとどめた。開場前に列に並んでいた別のファン(35)は「分からないまま今夜決まるというのが、逆にちょうどいい緊張感になっている」と笑った。
■ 遠野汀記者の視点
取材のあいだ、両会場で何度も耳にしたのは「分からないまま決まる」という言葉だった。順位規定も、壁の硬さも、今夜の結果も、誰も先取りして説明してくれない。既報のとおりリーグはこの姿勢を一貫させてきたが、それを不満とする声より、むしろそれを楽しむ声のほうが、18日の会場周辺では圧倒的に多かった。分からないことを分からないまま見届ける——次元調査面でおなじみのその態度が、この街ではスポーツ面にもしっかり根を張っているのだと、あらためて感じさせられる一日だった。
両会場とも開場は夕方、試合開始は夜の予定。結果は既報の慣例どおり、翌朝以降の紙面で報じる。
