落語家・柳亭岸八、「岸落語」新作を初披露へ 23日「岸辺の歌」出演前に稽古を明かす
落語家・柳亭岸八さん(68)が11日、23日開催の音楽祭「岸辺の歌」の高座で新作「窓芸(まどげい)」を初披露すると明らかにした。漂着一世として知られる柳亭さんが、湾岸発の風習「窓の日」を題材に描く新作。チケットは13日発売で、稽古の様子を報道陣に公開した。
■新作「窓芸」、窓の日を落語に
「岸落語」の第一人者として知られる柳亭岸八さんが11日、23日の音楽祭「岸辺の歌」(既報)で披露する新作「窓芸(まどげい)」の稽古を報道陣に公開した。物語は、窓辺に灯りを置く風習「窓の日」を舞台に、灯りを絶やさない年寄りの店主と、その由来を面白がって聞きにくる客との掛け合いを描く。由来をめぐる「諸説」を一つに決めず、むしろ諸説そのものを笑いの種にする構成になっているという。
■漂着一世としての半生
柳亭さんは1975年の集団漂着当時、17歳だった。「あのころは、噴き出す度胸なんてなかった。今になって、ようやく笑い話にできることが増えてきた」と話す。獣徴は耳・瞳・尾の一世セット。師匠に弟子入りしたのは漂着から10年余りが過ぎたころで、当初は「漂着一世の噺家」という枕(まくら)そのものが客を驚かせるための道具だったが、今では「驚かせるための一世」ではなく「一世としての噺」を語ることを心がけているという。
■「岸辺の歌」出演、13日発売の前売り券
「岸辺の歌」は潮騒レコードが主催する漂着系音楽祭で、今年は初めて岸浜公園での屋外開催となる(既報)。出演は歌手の白瀬ユキ、アイドルグループ・岸辺セブン、バンド「ヨルサギ」、そして柳亭さん。前売り券は13日発売で、動員見込みは前年の約3倍にあたる5千人という。柳亭さんは「音楽の後に落語というのは、正直、勝負にならない相手が続く出番だと思っている。でも、こういう場でしか聞かない人にこそ、聞いてほしい話でもある」と話した。
■他の出演者との交流
同音楽祭では、採譜者・岸浦汐さんの許諾を得た白瀬ユキの「岸の子守唄」公式カバーも披露される予定(既報)。柳亭さんは岸浦さんと面識があり、「歌が意味を明かさないのと同じで、噺も全部説明しないほうがいい。うちの師匠もそう言っていた」と語った。新作「窓芸」も、由来の「正解」を明かさないまま終わる構成にしたのは、この考え方が背景にあるという。
■稽古場の空気
稽古場では、柳亭さんが灯りを置く所作を繰り返し確認する様子が見られた。同席した弟子は「師匠は、笑いどころより先に、灯りを置く手つきの方を何十回も直していた」と明かす。柳亭さんは「客が笑う前に、まず『ああ、知ってる灯りだ』と思ってもらわないと、笑いは乗らない」と説明した。本番の高座は23日夕方の予定。
