深川熊系自治会も太鼓稽古に合流 三氏族の音、初めて重なる
来年の「三氏族秋祭り」(既報17日)に向け、犬系(19日既報)・狐系(20日既報)に続き、21日に深川の熊系自治会も太鼓の稽古を開始した。山手の集落に多い職人の家系らしい、ゆったりとした低い太鼓の音が、商店街会館で犬系・狐系と初めて重なった。熊系自治会長の丸輪徹(58)は「三つ揃うと、思っていた以上に賑やかになるものだ」と笑った。
■ 三日連続、三つの氏族が稽古を始めた
既報(17日)どおり、深川の犬系・熊系自治会と亀戸の狐系自治会は、来年の氏族合同秋祭りを2日間に拡大し、仮称「三氏族秋祭り」とすることで合意していた。犬系自治会が19日、狐系自治会が20日に太鼓の稽古を始めたのに続き、21日には熊系自治会も深川の商店街会館で稽古を開始した。三氏族が三日連続で異なる日に稽古を始動させた格好になる。会長の丸輪徹(58、漂着二世・熊系)は「犬系・狐系が先に始めたと聞いて、うちだけ出足が遅れるわけにはいかないと急いで会員を集めた」と話した。
■ 指物師の家系らしい、ゆったりとした太鼓
熊系自治会には山手の集落で指物師(家具職人)を営む家が多く、丸輪自身も三代続く指物師だという。「犬系の太鼓は『揃える』、狐系は『呼ぶ』と聞いている。うちのはそのどちらとも違う。急がず、間を持たせて鎮める太鼓だ」と丸輪は説明する。木工の作業で手の間合いを覚えた会員が多く、「板を削るときの呼吸がそのまま太鼓に出る。急いで削ると木を傷める。太鼓も同じだ」という会員の談話もあった。
■ 会館に三つの音が重なった夜
21日の稽古には、商店街会館の別室で既報どおり稽古を続けていた狐系自治会の数人が様子を見に訪れ、熊系の低い太鼓の音に合わせて自分たちの軽やかな太鼓を試しに打ち合わせる一幕があった。立ち会った狐系自治会長・早乙女丈(54、既報)は「犬系の重い太鼓、うちの軽い太鼓、そして熊系のこの鎮める太鼓。三つが同じ部屋で重なったのは今夜が初めてだと思う。思っていた以上に喧嘩にならず、むしろ落ち着く組み合わせだった」と驚いた様子で話した。丸輪も「狐系の太鼓が入ると、うちの間延びしがちな調子に軽さが出る。悪くない」と応じた。
■ 犬系会長「叩き比べ」構想、三者で検討へ
既報(20日)どおり、深川犬系自治会長・戌亥浩二(56)が提案していた「叩き比べ」構想について、21日の時点で三氏族の間で非公式に話題になっているという。丸輪は「比べるというより、重ねる方が面白いんじゃないかと思っている。来月の合同実行委員会で、うちの考えも伝えたい」と話した。早乙女も「熊系が『鎮める』役として入ると、比べ合いよりも一つの演目にまとめる案も出てくるかもしれない」と前向きな見方を示した。
■ 稽古初日、会員12人と見習い3人
21日の稽古には、丸輪を含む熊系の成人12人と、見習いの高校生3人が参加した。見習いの一人、深川在住の高校2年生(熊系三世)は「おじいちゃんが指物師で、太鼓はやったことがなかった。思ったよりゆっくりなリズムだけど、ずっと同じ調子を保つのが意外と難しい」と話した。会館に持ち込まれた太鼓は6台で、いずれも祭礼用に古くから伝わる型だという。
■ 来年の会場・日程、11月に決定
三氏族秋祭りの会期・会場の詳細は、既報どおり合同実行委員会が11月に決定する見通し。丸輪は「犬系・狐系・熊系、三つの太鼓の音が重なる日が来年来ると思うと、今夜のことがその最初の一歩だったんだと、あとで振り返る日が来るんだろう」と話した。






